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申し訳ありませんが、ご了承のほどよろしくお願いいたします。
お急ぎの場合は「超特急」プランのご検討をお願いいたします。
なお、お見積もり、ご発注、お問い合わせなどの窓口業務は通常通り行います。

プリント基板のスルーホール・ノンスルーホール



 
 
 プリント基板の「穴」について
プリント基板にとって「穴」はパターン(銅箔)と並んで非常に重要な要素の1つです。
その役割は主に、部品を差し込むための穴、電気を通すための穴、ネジ止めなどを行うための穴などがあります。
それぞれの役割に応じて穴のサイズや種類を適切に選択します。
穴の種類はスルーホールとノンスルーホールがあります。

 
 
 スルーホール
スルーホールとは、基板に開けた穴の内壁に銅めっきを施したものです。
この銅めっきにより、表面のランドと裏面のランドを電気的に導通させることができます。
つまり、表面を走っていたパターンを裏面に移動させたいとき、スルーホールを通して移動することになります。
このように、表面と裏面を接続するためだけに配置するスルーホールを特にVIAホール(ビアホール/バイアホール)と呼びます。
電流に合わせてサイズを選択しますが、信号線など微弱な電流の場合は、直径0.3mmなどの小さい穴が選ばれます。

一方で、部品のリードを差し込んではんだ付けするための穴もあります。
構造としてはVIAと同じですが、リードを差し込むため穴の直径は0.7mm以上になるのが一般的です。
部品のリードの太さよりひと回り大きいサイズの穴にするのが理想的です。
ちなみに、断面が正方形のリードの場合は、穴径の選択は要注意です。
正方形の辺の長さではなく、対角の長さから穴径を決める必要があります。
当然のことなのですが、プロでもついついミスを犯してしまうので、できれば部品の現物も確認しながら設計できればベストです。

なお、スルーホールは2層以上の基板で形成可能です。
片面基板(1層基板)では銅めっきの工程がありませんので、スルーホールは形成されません。

 
 
 ノンスルーホール
ノンスルーホールは、銅めっきの無い穴です。
ただ基板に開けただけの穴です。
ネジ穴や、コネクタの筐体を固定する穴、実装機に固定するための穴などに使われます。
また、片面基板では部品穴も全てノンスルーホールとなります。

ちなみに、英語でノンスルーホールは Non Through Hole ではなく、 Non Plated Through Hole (NPTH) が一般的に使われます。
Plated はめっきの意味ですので、後者の方が意味が通じます。
推測ですが、前者は和製英語かもしれません。
同様に、スルーホールは、Plated Through Hole (PTH) を使います。
単に Through Hole と言うと、スルーホール・ノンスルーホールの両方をひっくるめた「貫通穴」という意味に取られることがあります。
英語でこれらの単語を使う場合は、予め認識合わせをしておいた方がよさそうです。

 
 
 スルーホールとノンスルーホールの使い分け
部品をはんだ付けする穴は基本的にスルーホールを選びます。
スルーホールにはんだ付けすると、穴の内部にもはんだが充填されますので、接続のインピーダンスが下がり電気的に有利になります。
また、振動や温度変化によるはんだクラック(はんだ割れ)のリスクが下がるほか、はんだ付け時に失敗してランドが剥がれてしまうなどという問題も少なくなります。
スルーホールのデメリットとして、部品を取り換えながら試験する場合などに、部品の取り外しが大変になります。
(スルーホール内部のはんだを全て取り除かないと部品を外せないので、ICなどの端子数が多い部品を無傷で取り外すのは非常に困難です)
また、スルーホールのランドにはんだ付けすると、はんだがスルーホール内部を通って反対面まで流れる(はんだ上がりと言います)ため、部品の金属筐体とショートする、部品内部に半田が流れ込むなどの問題が発生することが稀にあります。

ネジ穴などはノンスルーホールが選ばれることが多いですが、特に決まりはありませんのでスルーホールでも構いません。
ネジ穴などにスルーホールを使う注意点としては、スルーホール内部は銅めっきされておりはんだが付着しやすいことです。
半田槽などで部品を実装する場合、ネジ穴がはんだで埋まってしまったり、はんだが付着してで穴径が小さくなることがあります。
これを防ぐには事前に穴をマスキングしておく必要があります。
製造台数が多くなると手間がかかりますので、特にこだわりがなければ、ネジ穴=ノンスルーホールとしておいた方が無難です。

 
 
 穴径の選択
穴の直径を穴径(あなけい)と呼びます。
部品を差し込む穴の場合、ほとんどの部品ではデータシートに推奨穴径が記載されていますので、それを参考にして決めます。
データシートに穴径の指示がない場合は、部品リードよりひと回り大きいサイズの穴とします。

なお、ユニクラフトの場合、穴径の公差は基本的に±0.05mmです。
部品のリードが最大公差で、穴径が最小公差(-0.05mm)になった場合でも余裕をもって差し込めるようにしておく必要があります。

また、ユニクラフトでは穴径は仕上がり穴径で指示します。
基板について詳しい方はご存知のように、穴径を「仕上がり穴径」で指示する場合と「ドリル径」で指示する場合があります。
基板の製造工程では、まず基板にドリルで穴を開けてから銅めっきを施しますが、銅めっきによって穴径が数十um小さくなります。
このため、2種類の指示方法がありますが、銅めっき後の穴径「仕上がり穴径」で設計してください。
なお、銅めっき以降の表面処理の厚さは含んでおりませんので、特に表面処理に半田レベラー(HASL)を選択された場合は、極端に穴径が小さくなることがあります。
0.6mm以下の部品穴や部品リード径と余裕がない穴がある場合は、半田レベラーを以外(水溶性プリフラックスなど)をご選択いただくことをお勧めいたします。
※半田レベラーは厚さ管理が出来ませんので、具体的にどの程度穴径が小さくなるか、ということははっきりと言えません。

 
 
 穴径とコスト
数千枚・数万枚単位でプリント基板を製造する場合、穴径の選択とコストは密接な関係があります。
これは、プリント基板の製造工程において、穴開け工程にかかる時間が比較的に長いためです。
穴開け工程の時間を短くすることで、基板製造のコストダウンにつながります。

一番手っ取り早いのが、穴数を減らすことですが、そう簡単にできませんので以下のことを確認していきます。
まず、一般的に、小さいサイズの穴は穴開けに時間がかかります。
例えば、0.25mmのドリルというのは、シャープペンシルの芯の半分の太さです。
ちょっとしたことで簡単に折れてしまいますので、穴開けを慎重に行う必要があり、結果的に穴開けに時間がかかります。
次に注意したいのが、使用する穴径の「種類」です。
穴開け工程では、それぞれ指示された穴径のドリルビットに取り換えながら穴開けしますが、この取り換えの時間が穴開け工程の時間を長くしている場合があります。
例えば、1.00mmの穴と1.10mmの穴がある場合、どちらかの穴径に統一できないか検討して、できる限り穴径の種類を少なくした方が良いです。

 
 
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