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プリント基板デザインルール・製造基準書
Ver. 1.90
1 目次
2 適用範囲および本仕様書の概要本仕様書は株式会社ユニクラフトが販売するプリント基板(FR-4標準リジッド基板)に適用します。 お客様から提出されるデータに個別の製造仕様書が添付されている場合でも本仕様書の内容が優先されます。 「3. 基板設計仕様(デザインルール)」では、お客様が基板設計を行う上で順守していただく内容を記述しています。
3.1 レイヤー数(層数)片面(1層)・両面(2層)・4層・6層・8層・10層・12層 (特注で40層までの製造可能ですので、ご希望の際はお申し付けください。)
3.2 基板外形3.2.1 寸法最小:
5mm×5mm 基板外形サイズは、X軸・Y軸のそれぞれの最大サイズを表します。
3.2.2 形状長方形【標準】・その他カスタム形状(下図は一例) ※直径2.0mmまたは1.0mmの刃でカットするため、カスタム形状で直角にくり抜いた場合などは丸みを帯びたカーブとなります。 ※カスタム形状において突起部を設ける場合、突起の幅は3mm以上を推奨いたします。
3.2.3 内部切り抜きなし【標準】・あり(下図は一例)
※銅箔のある部分に内部切り抜きを施すと、スルーホール(穴壁メッキ)となる場合があります。
3.2.4 スリット(内部切り抜き)
スリットは、直径2.0mmまたは1.0mmの回転刃(ルーター)で加工します。 標準幅: 2.0mm以上 最小幅: 1.0mm ※加工幅2.0mm未満の場合、製造数量や加工箇所に応じて追加料金がかかる場合があります。
3.2.5 ガーバーデータ記載方法外形は0.01mm以下の細い線で外形を描画いただくことを推奨します。 寸法や補助線など、実際のルーター加工に関係のない線は描かないでください。
3.3 銅箔パターン3.3.1 最小パターン幅
0.125mm(銅箔35um)【標準】 銅箔で文字・記号を書く場合など、回路として使用していない部分についても同様です。
3.3.2 最小クリアランス(最小絶縁距離)
0.125mm(銅箔35um)【標準】 銅箔で文字・記号を書く場合など、回路として使用していない部分についても同様です。 また、同電位の銅箔パターンについても同様です。 上記寸法が守られない場合、銅箔屑が発生しショートの原因となることや、パターン部分に亀裂が走ってしまい断線の原因となることがあります。
スペースに余裕がある箇所では、できる限りクリアランスを広く取ってください。 特にアンテナ等の螺旋パターンは、追加費用の対象となることがあります。
3.3.3 最小ランド(パッド)間距離
(オレンジ色はレジスト未塗布部(ランド部分)) 0.125mm(銅箔35um)【標準】
ICのパッド間など、レジストが塗布されていない銅箔同士の距離です。 基本的に最小クリアランス(最小絶縁距離)と同じですが、半田ブリッジ等を防ぐために更に余裕を持った設計をお願いいたします。 推奨値: 0.20mm(銅箔18um/35um) / 0.30mm(銅箔70um) / 0.40mm(銅箔105um)
3.3.4 最小アニュラリング太さ
標準値: アニュラリング太さ0.20mm以上 (例:穴径0.8mmの場合、1.2mm以上のパッド径が必要) アニュラリングが上記のサイズに満たない場合、穴径を調整して(小さくして)製造する場合が <例外事項>
3.3.5 スルーホール端から銅箔への最小距離0.2mm (内層など、アニュラリングのないスルーホール)
3.3.6 基板端から銅箔への最小距離0.5mm
3.3.7 BGAパターンBGAなどでφ0.4以下のパッドがある場合は、銅箔厚さ18umを推奨いたします。 特に、φ0.3以下のパッドがある場合、銅箔厚さ35umで製造するとパッドサイズが大幅に小さくなり、実装不良が発生する恐れがあります。
3.3.8 ベタパターンベタパターンの周囲はエッチング時に銅箔が溶けにくい場合がありますので、パターン・ベタ間距離やランド・ベタ間距離は本項に記載の値よりできる限り大きく設定してください。 片面のみベタパターンとする場合や、両面の銅箔残存率に差異がある場合は、基板に反りが発生する可能性があります。 メッシュパターンは、線幅0.25mm以上、間隙0.25mm以上としてください。
3.4 ソルダーレジスト(ソルダーマスク)3.4.1 塗布面両面【両面基板の場合、標準】・片面【片面基板の場合、標準】・なし
3.4.2 ガーバーデータ指示ガーバーデータの指示はネガデータとします。 レジスト開口(レジストを塗らない)部分をガーバーデータで指示します。
3.4.3 ソルダーレジスト最小幅レジスト緑色・銅箔35um以下 ・・・ 0.1mm
3.4.4 ソルダーレジスト最小クリアランスレジスト緑色・銅箔35um以下 ・・・ 0.1mm
3.4.5 ソルダーレジスト禁止領域スルーホール・ノンスルーホールの周辺0.05mm以上はレジスト開口としてください。
3.4.6 ソルダーレジスト開口から周囲パターンまでの距離0.1mm以上
3.4.7 一般的なソルダーレジスト範囲(参考)レジストの印刷ずれなどを考慮して、ランドサイズより少し大きめにレジスト開口の指示をします。 一般的な代表値を以下に記載します。
以下の場合は、製造前のデータ編集でレジストサイズを調整することがあります。 なお、@について、オーバーレジストをご希望の場合は、必ず事前にご連絡ください。
3.5 ドリル(穴)3.5.1 穴径指示方法穴径は、仕上がり寸法(直径)で指示してください。
3.5.2 最小サイズ
0.25mm【標準】・0.15mm(スルーホール)【オプション】・0.1mm(ノンスルーホール)【オプション】 ただし、アスペクト比8:1となる板厚に限ります。
3.5.3 最大サイズ6.0mm
3.5.4 スルーホール(穴内壁メッキ)多層基板の穴は基本的にスルーホールとなります。 スルーホールには両面にランド(パッド)・アニュラリングを設けてください。 片面のみにランドがある場合、ほとんどのケースでノンスルーホールになります。 (穴径や基板厚さ、製造バラツキ等の要因によりスルーホール・ノンスルーホールのどちらになるか保証されません。)
3.5.5 ノンスルーホール2層以上の基板にノンスルーホール(メッキ無し穴)を空ける場合は、穴の周囲0.30mmには銅箔を配置することはできません。 (基本的に部品のランドは全てスルーホールにされることをお勧めいたします。)
(青色:ノンスルーホール、緑色:銅箔パターン(レジスト塗布不問))
3.5.6 長孔
<制限事項> ・穴径(長穴の短手方向)は0.5mm以上としてください。 ・長手方向の寸法は穴径(短手方向)の2倍以上としてください。
<指示方法> 長孔(長穴)はデータ形式ごとに以下のように指示していただくことを推奨いたします。
ドリルデータがエキセロン形式(NC)の場合: ドリルがガーバーデータの場合: ※CADの制約等により、上記が実現できない場合は、お見積もりの際にその旨をお申し付けください。
<注意事項>
<参考写真>
3.5.7 角穴ドリル(回転刃)で穴開け加工しますので、角穴は加工できません。
3.5.8 端面スルーホール端面スルーホールの加工が可能です。 端面スルーホールにされる箇所は、外形線上にスルーホール(ランド必要)を置いてください。
3.5.9 基板端から穴端までの最小距離1.5mm ただし、基板のクラック(割れ)や欠けを許容いただける場合は0.5mmまで対応可能です。 3.5.10 穴端から穴端までの最小距離0.20mm
3.6 シルク印刷
3.6.1 印刷面片面【標準】・両面・なし
3.6.2 シルク最小幅0.127mm (推奨:0.2mm) 上記は「印字ができる」太さです。
3.6.3 シルク最小クリアランス0.127mm
3.6.4 シルク禁止領域レジスト開口部および周囲0.05mm以内はシルク印刷できません。 ノンスルーホール・スルーホール周辺0.2mmはシルク印刷禁止とします。 また、基板端から0.3mmの範囲、ランド(パッド)から0.3mmの範囲は印刷できない場合があります。 特にランド(パッド)周囲0.1mm以内にシルク印刷を行う場合、シルク印刷ズレ、シルクインクの滲みなどによってランド上にインクが載る恐れがあります。ランド周囲にシルク印刷される場合は、上記リスクを許容の上おこなってください。
3.7 Vカット
・基板厚さ0.6mm〜2.0mmの基板にVカット加工することができます。 ・Vカットの指示は外形データに描き、Vカットに対して「←V-CUT」と指示します。 CADの制約等により「←V-CUT」の文字を挿入できない場合は、無くても構いません。 Vカットを外形データに描画できない場合、独立したVカットデータ(ガーバーファイル)としていただいても差し支えありません。 ・Vカットは必ず基板外形を突っ切る必要があります。ジャンプVカットはできません。 ・基板のX軸またはY軸に平行でなければなりません。 ・Vカットの分割線は0.5mm程度の太さで描画してください。 (Vカットの刃幅は一定ですので、描画太さを変更しても実際の加工に反映されません。)
上記「間違った例」の方法で面付けしたい場合は長穴やミシン目をご併用ください。 ミシン目による面付けは、専用のレイヤーを起こさず、従来のドリルレイヤーに孔または長孔で描画します。 なお、ユニクラフトではルーター切り出しによる面付けは行っておりません。
3.8 基板データ全てのデータは部品面視(第1層面視)の透過図としてください。 ガーバーフォーマットは拡張ガーバー(RS-274X)またはGerber X2としてください。 ドリルファイルはエキセロン(NC)形式を推奨いたします。この場合、できる限りドリルの穴径情報が座標ファイルに埋め込まれている形式としてください。 各レイヤーのガーバーデータを以下のファイル名に変更するか、ファイル名とレイヤーの対応表を作成ください。 (不要なレイヤーのファイルは添付していただく必要はありません。) ・ptn_top.grb :部品面(第1層)銅箔パターン ・ptn_sec.grb :第2層(内層) 銅箔パターン ・ptn_thi.grb :第3層(内層) 銅箔パターン ・ptn_fou.grb :第4層(内層) 銅箔パターン ・ptn_fiv.grb :第5層(内層) 銅箔パターン ・ptn_btm.grb :半田面銅箔パターン ・res_top.grb :部品面レジスト ・res_btm.grb :半田面レジスト ・slk_top.grb :部品面シルク印刷 ・slk_btm.grb :半田面シルク印刷 ・outline.grb :プリント基板 外形 ・dri.grb :ドリルファイル(スルーホール・ノンスルーホール混在可) ・NPTH.grb :ドリルファイル(2層以上の基板でのノンスルーホール)
※強制的に拡張子を”.grb”に変更してもデータに問題は起こりませんが、管理上の不都合等がある場合は、”.grb”以外の拡張子でも問題ありません。
<ガーバーデータ推奨設定・非推奨設定> ・ポリゴンの利用は推奨いたしません。
4.1 基材4.1.1 材質プリント基板の基材はFR-4( ガラス布エポキシ樹脂銅張積層板)とします。
4.1.2 基板厚さ
1.6mm【標準】 0.2mm(片面または両面基板)・0.4mm(片面または両面基板)・0.6mm(片面または両面基板)・0.8mm・1mm・1.2mm・2mm・2.4mm・3.2mm・4mm・5mm・6mm 板厚公差:±10%(厚さ1mm以下の基板は±0.1mm)
4.1.3 外形公差±0.3mm ただし、基準穴(※)がない場合は、±0.6mm
4.1.4 外形加工・基板の角部は他基板へのスクラッチ防止、使用者の怪我防止のためにR0.5mm程度に丸めます。
・基板外形はルーターで切り抜きますので、凹部の角は丸みを帯びた形状となります。 基板内部に四角い穴を開ける場合も同様です。 周辺のパターンの配置などを見てルーターの軌道を決めます。(内側に食い込む、または外側を通る) ルーターの軌道にご指定がある場合は、ガーバーデータ作成の段階で角にR1.5を持たせて完成形状を指定してください。
4.1.5 反り基板の反りは長手方向の長さの1.5%または1mmのいずれか大きい方の値以下とします。
4.1.6 VカットVカット幅: 約0.5mm (厚さ1.6mmの基板に於いて) Vカットの切り始め、切り終わりの付近などに、位置決め用の穴(φ0.5.程度)を開けることがあります。
4.2 銅箔4.2.1 純度銅箔の純度は99.5%以上とします。
4.2.2 銅箔厚さ
外層: 35um【標準】・18um・70um・105um・140um・175um・210um・245um・280um・315um・350um 内層: 35um【標準】・18um・70um・105um【オプション】・140um【オプション】
4.2.3 銅メッキ厚10〜20um
4.2.4 ランド(パッド)表面処理ランド表面処理とは、ランド(パッド)など銅箔がむき出しになっている部分(レジスト未塗布部分)の表面処理方法のことです。 HASL(有鉛半田レベラー)【標準】・ENIG(無電解ニッケル/置換金メッキ)・Lead Free HASL(無鉛半田レベラー)・水溶性プリフラックス・電解金メッキ <HASL(有鉛半田レベラー)>
鉛入りハンダ処理です。
<ENIG(無電解ニッケル/置換金メッキ)>
表面をメッキ処理し、酸化を防止しています。
<Lead Free HASL(無鉛半田レベラー)>
鉛フリーハンダ処理です。
<水溶性プリフラックス>
銅箔の上に防錆用の水溶性プリフラックスを塗布します。
<電解金メッキ>
電解金メッキはENIGよりも機械的強度が強いため、カードエッジコネクタとして使う場合などに適します。
4.2.5 出来栄えランド部分は銅メッキの露出なきこととします。 銅箔の欠けはパターン幅の2/5までとします。
4.3 ソルダーレジスト(ソルダーマスク)
4.3.1 ソルダーレジスト色緑色【標準】・青色・黒色・赤色・白色・黄色 ※4層以上の基板では内層パターンの影響で黒ずんだ色になることがあります。
4.3.2 ソルダーレジスト厚さ16um程度
4.3.3 出来栄え銅箔部分のソルダーレジストは、銅箔に達する傷、剥がれ等がないこととします。
4.4 ドリル(穴)片面基板は全てノンスルーホールとなります。 2層以上の基板は、基本的にスルーホール(メッキ有り穴)とします。 4層以上の基板についても、スルーホールにされたい穴には、必ず表層に(部品面・半田面ともに)ランドを設けてください。 穴径公差: ±0.075mm(スルーホール) ±0.05mm(ノンスルーホール) 穴径公差は上記の値で固定です。 ドリルデータやレポートファイル、穴図面、ドリルマップなどで公差指定されても製造には反映されません。 上記公差に合わせて穴径の中心値(狙い値)を調整してください。
4.4.1 スルーホール銅メッキ厚10〜20um
4.5 シルクスクリーン印刷4.5.1 シルクスクリーン印刷色白色【標準】・黒色・黄色
4.5.2 出来栄え文字が識別できることとします。
4.5.3 弊社印刷文字ULマーク・製造上の管理番号・ロットなどを印刷しても良いこととします。
4.6 製造工場特に記載なき場合は、海外または国内のUL認定工場にて製造します。
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