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部品実装のトラブル 10選



 
 
 はじめに
実装業者に部品実装を依頼する際によくあるトラブルをまとめました。
基板の設計や実装準備に役立つ内容となっておりますので、ご自身で実装される場合も参考にしていただければ幸いです。
 
 
 トラブル その1 部品のパッケージ違い
   トラブル発生頻度 ★★★☆☆

基板のパッドと実装部品のパッケージが違うというトラブルです。
同じICでもピッチの広いSOPとピッチの狭いSOPやSONなど、複数のパッケージが用意されていることがあります。
パッケージごとに品番が分かれているものの、酷似した品番になることがあり、設計や部品手配の際に間違えてしまうことが原因です。
ピッチ違いのICは実装できませんので、未実装で納品とするか、タイミングが合えば正しい部品を支給してもらって実装します。
また、チップ抵抗やチップコンデンサのサイズ違いも時々発生します。
部品の端子が基板のパッドに届いていれば、無理矢理に実装できることもありますが、リフローはんだはできませんので少量且つ1608サイズ以上の部品に限られます。

 
 
 トラブル その2 穴径が小さく部品が差し込めない
   トラブル発生頻度 ★★★☆☆

DIP部品(挿入部品)において、部品のリードよりも穴径が小さいために、部品を差し込むことができないトラブルです。
主に設計ミスや代替部品の選定ミスが原因です。
設計時に部品のデータシートを見て穴径を決めますが、例えば側面図で端子の太さが0.8mmと書かれている場合、安易にφ0.8と考えてしまいφ1.0程度の穴を開けてしまうことがあります。
実は端子の断面図を見ると円形ではなく正方形の端子で、□0.8mmの対角=1.13mmのため、φ1.0の穴には入らないということがあります。
また、これはJSTさんのコネクタでよくあるのですが、推奨穴径が片側寸法で書かれている場合は要注意です。
例えば φ0.9 (+0.2 / -0.0) と書かれている場合、どのように設計しますか?
ほとんどの方がφ0.9で設計すると思います。
そうなると、基板の製造上はφ0.9±0.075となり、穴径がマイナス側に振れたときに部品が差し込めないことがあります。
また、表面処理として半田レベラーを選択する場合は、レベラーの厚さ分だけ穴径が小さくなります。
穴径は少し余裕をもった大きさにされることをお勧めいたします。

 
 
 トラブル その3 部品の向きの指示がない
   トラブル発生頻度 ★★★★★

有極性部品はシルク印刷で部品の向きを指示します。
部品の向きの指示がない場合は、都度お客様に問い合わせをします。
ICは1ピンマーク、ダイオードはカソードマーク、電解コンデンサは+側、コネクタは筐体形状や1ピンマークをシルク印刷し、実装作業者が分かるように示します。
シルクに向きを表示できない場合は、別途実装図面を用意して各部品の向きを示します。
また、必ず実装面にシルク印刷を行います。
DIP部品はどちらの面でも実装できことが多いので、裏面に実装する場合は裏面にシルク印刷で部品番号や部品形状、極性表示を行います。

<シルク印刷の例>
IC:1ピンの近くに数字の1または●印を表示
  それに加えて、ICの形状をシルク印刷(形状だけでも向きを判断できるように)
ダイオード:カソードにKを表示
  それに加えて、ダイオード形状のカソード側を塗りつぶし
電解コンデンサ: +極側に + 印をシルク印刷
  ※必ず + 印としてください。(●印などの場合、極性が判断できないことがあるため)
コネクタ:筐体形状と1ピンマークをシルク印刷
  ※できれば筐体形状だけでも実装方向が分かるように、現物通りの形状を作図

 
 
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 トラブル その4 リファレンス番号の位置が不適切
   トラブル発生頻度 ★★★☆☆

基板のパッドには R1, IC1, C1 などのリファレンス番号をシルク印刷します。
できるだけパッドの近くに印刷しますが、部品が密集している部分はリファレンス番号がどのパッドを示しているか分からないことがあります。
そうならないように、引き出し線なども使って、リファレンス番号が示すパッドが明瞭になるように設計します。
また、座標データや実装図面も一緒に実装業者に送付すると、間違いの防止に役立ちます。

 
 
 トラブル その5 部品同士が干渉する
   トラブル発生頻度 ★★☆☆☆

特にDIP部品の実装の際に発生するトラブルですが、部品が周囲の部品と干渉してしまい実装できないことがあります。
DIP部品は本体の内側に端子がありますので、設計時に本体のサイズを把握し、部品外形をシルク印刷しておくことをお勧めいたします。
なお、部品同士の干渉以外にも、取付穴(ネジ穴)との干渉や基板からのはみだし(筐体と干渉する場合あり)なども注意が必要です。

 
 
 トラブル その6 コネクタの嵌合相手が差し込めない
   トラブル発生頻度 ★☆☆☆☆

ライトアングルコネクタ(横から差し込むコネクタ)を使う場合、差し込み口付近に部品がないことを確認してください。
ライトアングルコネクタは通常基板の外側に実装するので部品が干渉することはないのですが、設計変更時にストレートコネクタ(上から差し込む)からライトアングルに変更したときなどに起こるトラブルです。

 
 
 トラブル その7 基板にコネクタのボス穴がない
   トラブル発生頻度 ★★☆☆☆

コネクタによってはボス(位置決め用の突起)のあるものがあります。
その位置に合わせて基板にノンスルーホールを開けないといけないのですが、穴が開いておらずコネクタを差し込めないトラブルが時々あります。
同じシリーズのコネクタでもボスありの品番とボスなしの品番に分かれていることがあり、誤ってボスなしで設計してしまったことが原因です。
樹脂のボスであればカットして実装は可能です。(部品が多少浮く可能性あり)

 
 
 トラブル その8 実装部品が足りない
   トラブル発生頻度 ★★★★★

部品の実装数に対して支給数が足りないトラブルです。
原因はいろいろありますが、主に以下のようなものです。
・部品表の員数欄の記入間違い(例:実際は10ヶ所実装するのに、員数9個と書かれている)
・部品の袋のラベルと中身の数が異なる(以前に部品を数個使用したのを忘れていたなど)
・単純な数え間違い
・実装作業中の欠品
  手載せ実装では部品をピンセットで1つ1つパッドに載せていきます。
  注意して作業していますが、どうしても小さい部品はピンセットから脱落してどこかへ飛んで行ってしまうことが
  あります。
  1005部品などの場合、運よく見つかった場合でも、その部品が本当に今飛んで行った部品か分からないことが
    多いため使用できません。
  マウンタ実装においては、実装途中に装置が停止した場合などに、実装中の部品が欠品することがあります。
  このような事情があるため、特に小さい部品は十分な予備を含めて実装業者に支給します。




 

 トラブル その9 部品の端子が酸化している
   トラブル発生頻度 ★★☆☆☆

長期間保管された部品は、部品の端子が酸化してはんだを弾く場合があります。
手はんだでなんとか実装できることが多いですが、小さい部品はどれだけ修正してもダメなこともあります。
不良に繋がりますので、部品の保管には十分ご注意ください。
長期間保管する場合は防湿庫などを使って湿度をコントロールしてください。
購入したばかりの新品でも酸化していることがありますので(商社での保管の問題)、部品は信頼できる商社からご購入ください。

また、基板のパッド(ランド)についても同様です。
レベラーや金フラッシュ(ENIG)でしたら問題も起こりにくいのですが、水溶性プリフラックスは長持ちしませんので保管の環境に注意が必要です。

 
 
 トラブル その10 基板が厚すぎる
   トラブル発生頻度 ★☆☆☆☆

DIP部品やコネクタの固定ピンなど、基板に差し込む端子には思わぬ落とし穴があります。
稀に端子の長さが短い部品があり、厚さ1.6mmの基板では反対面まで端子が飛び出さないことがあります。
そのような部品はデータシートに基板厚さに指定があると思いますので十分確認しましょう。
また、DIPタイプのコネクタやICなどは、基板厚さ1.6mmを前提にして作られていることが多いので、1.6mmより厚い基板に実装する場合は端子の長さが十分か事前の確認が必要です。

 
 
 番外編 熱容量が大きすぎてはんだ付けが難しい
部品実装業者ではなく、ご自身ではんだ付けされる場合に発生するトラブルですので、番外編とさせていただきました。

部品実装は、基板のランド(パッド)と部品の端子が十分に温められて初めてはんだ付けができます。
どちらかの温度が低い状態ですと、はんだが弾いてしまい、うまく馴染みません。
通常ははんだごてで溶かされたはんだによって熱が移動し、部品もランドもすぐに加熱します。
しかし、基板側(ランド)の熱容量が大きい場合や部品の熱容量が大きい場合には、なかなか温度が上がらずに、はんだ付けがうまくいきません。
基板側の熱容量が大きい例としては、厚銅基板、アルミ基板、ベタへのはんだ付けなどが挙げられます。
特に、厚銅基板やアルミ基板のベタパターンへのはんだ付けは、はんだゴテだけではうまくいかないことが多いです。
そういった場合は、基板を予熱しておいて実装するということも行います。
それが難しい場合は実装業者でフローやリフロー実装してもらうのが手っ取り早いです。



 


 
 
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