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プリン基板CADの比較
@構想設計(回路の機能や要求される性能の決定) A回路設計(使用部品を選定し、回路図を作成) B基板設計(回路図を元にパターンを引き、基板製造データを作成) C生基板製造 D部品実装 E動作確認 Bの基板設計とは回路図を元にパターンを引いていく工程です。 (基板設計のことを「パターン設計」や「アートワーク設計」と言ったりもします。) 昔は手作業でパターン図を書いていましたが、今はほとんどそのようなことはなくなり、パソコンで作成して出力したデータを元に基板製造を行います。 このパターンを引く作業で使うのがプリント基板CADです。 統合型のソフトの場合、A回路設計も同じソフトに組み込まれている場合があります。 基板設計の手順としては、まずは回路図のデータ(ネットリストと言います)をCADに読み込ませ、各部品のパッドの設計、部品の配置、配線作成という流れで作業していきます。 設計が完了したら、基板製造データ(ガーバーデータ、ドリルデータなど)をCADから出力して終わりです。 やろうと思えば一般的な機械CADでプリント基板のパターン設計も可能ですが、機械CADではガーバーデータが出力できません。 DXFデータなどを出力してそのデータで基板製造を行う場合、ガーバーデータに変換する必要がありますのでデータ変換費用(再設計費)がかかり効率的ではありません。 プリント基板を設計される場合は、専用の基板CADを利用されることをお勧めいたします。
プリント基板CADによって基板の品質が変わることはありません。 基板製造のためにCADから出力する「ガーバーデータ」というものは、規格で決まったフォーマットのデータですので、どんなCADを使っても、全く同じガーバーデータを出力すれば同じ基板が仕上がります。(当然のことですが) なんとなく、高いCADを使えば良い基板ができそうと思ってしまいがちですが、そんなことはありません。 ではなぜ基板設計業者が高いCADを使うかと疑問が出てきますが、簡単に言えば時間短縮とミスを減らすためです。 部品のパッドを設計したり、パターンを正確に引いたり、デザインルールチェックをしたりと、設計作業は工程が多いです。 また、電気特性やノイズ、放熱、筐体との嵌合等、様々なことを考慮する必要があります。 これらを全て手作業で行えるのであれば安い(機能の少ない)CADで十分です。 しかし、大規模な回路になるとそうはいきませんので、どのような基板を設計するかによってCADを選べば良いと思います。 前置きが長くなりましたが、プリント基板CADのご紹介をしていきます。
・開発国:アメリカ(日本語版あり) ・回路図エディタ内蔵 ・部品ライブラリが豊富 1987年に公開された“PROTEL”を引きついだ老舗のCADです。 歴史も古く安定したソフトであり、人気のある商用ソフトです。 日本語のドキュメントはあるようですが、サポートは英語のみです。 Altium Designer ホームページ
・開発国:日本(図研) ・回路図エディタ内蔵 ・部品ライブラリが豊富 国内大手の図研が提供するCADです。 費用が高額ですので、一般企業というよりは基板設計会社で多く利用されています。 図研 ホームページ
・開発国:アメリカ ※無償版あり(機能制限) ・回路図エディタ内蔵 ・部品ライブラリが豊富 1980年代から公開されているCADで、無償版もあることから一昔前は人気がありました。 しかし、最近では無償の高機能CADが公開されたこともあり、利用者が減っている印象です。 Eagle ホームページ
・開発国:日本 ・回路図エディタあり 新興の基板CADで、比較的安価なため人気があります。 クラウド型のCADで、どこからでもデータを参照できるのが特徴です。 Quadcept ホームページ
・開発国:日本(ニソール) ・無償の回路図エディタあり ・部品ライブラリが豊富 ソフトやマニュアルは全て日本語表記で使いやすいです。 初めてCADを使う人でも簡単に操作できるアシストツールがあります。 ガーバーデータではなくCOMPデータという専用の製造データを出力し、それに対応した工場に製造を依頼する方式をとっており、初心者でもミスなく製造依頼ができます。 ※ニソールではCADLUS ONEというCADも提供しており、こちらはガーバーデータ出力機能があります。 CADLUS PCB ホームページ
・開発国:スイス(日本語版あり) ・回路図エディタ内蔵 ・部品ライブラリが豊富 「キキャド」と読みます。 近年、非常に人気のある基板CADです。 完全無料でありながら、有料並みの機能が入っており、商用向けにも多く利用されています。 利用者が多いのでネット上に情報が多くありますが、オープンソースのため個別のサポートは期待できません。 KiCADホームページ
・開発国:日本(個人) ・回路図エディタなし 有志の方が作成された無償の基板CADです。 他のCADと大きく異なるのは、PCで回路図設計を行わずに、いきなりパターン設計をすることです。 お絵かきソフト感覚で簡単に使えます。 回路図を描くまでもない単純な基板であれば、PCBEの方が早く設計できます。 基本的にチェック機能は入っていませんので、大規模な基板を設計するには不向きです。 PCBEダウンロード
・開発国:日本(ユニクラフト) 弊社で開発しているUNI−CADのご紹介です。 PCBEと同様に回路図を描かずにいきなりパターン設計します。 ブラウザ上で動作するため、インストール不要ですぐに開くことができます。 CADデータはオンライン上に保存でき、そのまま基板の見積もり依頼・発注が可能です。 直感的に使えるように設計しており、基板CADを使ったことがない方でもすぐに使えるようになります。 UNI−CADを開く
初めて基板CADに挑戦する方は、まずは無償のソフトを使ってみて不満があれば他のCADも試してみるという方法で良いと思います。 それと再度宣伝になりますが、弊社のUNI−CADもお試しで一度ご利用ください。 ※本ページは2024年11月に執筆したものです。 実際の価格等は、各社のホームページでご確認ください。
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