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基板におけるインピーダンスコントロールの重要性



 
 
 1. 基板におけるインピーダンスコントロールとは?
まず、インピーダンス(Impedance)とは、交流回路における電気抵抗の総合的な値を表し「Ω(オーム)」で表記されます。
また、プリント基板では、高周波信号の下での回路層(信号層)と、最も近い関連層(基準面)のインピーダンスの総和のことを指します。
そしてインピーダンスコントロールとは、プリント基板上の信号線のインピーダンス(入力・伝送線路・出力)が等しくなるように、
設計・製造・管理する技術を指します。


 2. なぜインピーダンスコントロールをする必要があるのか?
1. 信号反射の防止
伝送線路の特性インピーダンスが適切に設計されていないと、信号が反射し、波形の歪みやノイズの発生原因になります。

2. クロストークの抑制
隣接する信号線同士で電磁誘導が発生し、信号が干渉する現象(クロストーク)が発生する可能性があります。
インピーダンスを適切に管理することで、不要なノイズを減らすことができます。

3. 信号品質の維持(SI: Signal Integrity)
高速なデジタル回路では、波形の乱れやジッター(時間軸のブレ)を抑えることが求められます。
適切なインピーダンス制御により、信号品質を維持できます。

4. 電磁波障害(EMI)の低減
適切なインピーダンス制御を行うことで、不要な放射ノイズを抑え、EMI(電磁干渉)を軽減することができます。
特に、PCIe、USB、高速メモリ(DDR)、HDMI などの高速信号を扱う回路では、
インピーダンスのズレが許容範囲を超えると、通信エラーやデータの損失が発生します


 3. インピーダンスコントロールのイメージ
以下は電流が流れる様子を水流に置き換えたイメージ画像です。
たとえば、50Ω系のシステムでは、信号源・伝送線路・負荷のすべてが50Ωになるように、回路設計・基板設計を行う必要があります。

    水源(信号源側)〜出口全体の大きさ(インピーダンス値)が揃っていないので、一部が水源(信号源側)に戻ってしまう。



       水流が逆流していない=インピーダンス値を揃えているので、信号が反射していない。




 
 
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 4. 具体的なインピーダンスコントロール方法
インピーダンス制御には、以下のような手法があります。
(1) 適切な配線幅と層構成を設計する
伝送線路のインピーダンスは、配線の幅/高さ、基準となるリファレンス(GND)との距離や、銅箔厚、レジスト厚、基材の比誘電率により決まります。
設計段階でこれらを考慮しながら、インピーダンスを計算することが重要です。

(2) リファレンスプレーン(GND)活用する。
インピーダンスコントロールをしたい信号線に対し、GNDを設けます。
信号線とGNDの距離がインピーダンスに影響します。

■シングルライン
1本の信号線だけで信号を伝送する方式のことです。

・マイクロストリップライン
外層に信号線を置き、絶縁層を挟んだ反対側をGNDとした構造です。
絶縁層の厚みを調整してインピーダンスをコントロールします。
外層に信号線を置くため、外部からの干渉を受けやすいという特徴があります。


・ストリップライン
内層に信号線を置き、信号線の上下をGNDとした構造です。
信号の配線幅と上下のGNDプレーンとの絶縁層の厚みを調整して、インピーダンスコントロールします。
マイクロストリップラインよりも安定していますが、絶縁層の影響を受けやすく、
さらに外層と内層を接続するためのビアによって特性インピーダンスが変化するなど、
高速信号や高周波信号の伝送にはあまり適していません。


・コプレナー導波路
信号線をGNDで挟み込んだ構造のことです。
信号の配線幅・厚みと、隣り合う左右のGNDとのギャップを調整してインピーダンスをコントロールします。
片面だけでインピーダンスコントロールができるため、簡潔な構造でパターン配線ができるメリットがあります。
また、側面のGNDが電界を閉じ込めるように作用するためノイズに強く、高周波回路でよく使用されています。


■差動ライン
1対の信号線を使って信号を先導する方式のことです。
平行な2本の配線で異なる極性の信号を伝送することで、それぞれの配線に発生する電磁界をお互いに打ち消すことができ、
高速信号からの放射ノイズを減らせることが特徴です。
また、シングルライン伝送に比べて信号振幅を小さくできる分、
電位差が小さく伝送速度を高速にできる特徴があり、現在は主流となっています。


(3) シミュレーションによる検証
設計段階で SI(Signal Integrity)シミュレーションを行い、配線パターンのインピーダンスが適正かどうかを確認します。
※ちなみに、完成基板のインピーダンスを測定する必要がある場合、
 捨て板など基板の本製品外にテストクーポンを配置しておき、それを測定します。


 5. まとめ
上述しましたように、インピーダンスは信号線幅やGNDとの距離で変化します。
ですので、いくら設計時にきちんとシミュレーション出来ていても、製造時のエッチングや積層工程の精度が不十分だと、
完成品のインピーダンスはシミュレーションとは変わってしまいます。
設計・製造の両面から適切なインピーダンスコントロールを行い、高品質な信号伝送を実現していきましょう。

ユニクラフトではインピーダンス計算に必要な情報(層構成、比誘電率)の提供を行っております。
ご希望でしたらお申し付けください。
標準基板では製造時のインピーダンスコントロールは行いませんので、設計された通りに製造いたします。
特注で製造時のインピーダンスコントロールも対応可能ですのでご相談ください。

 
 



 


 
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