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Kicad 基板の設定 デザインルール その3



 
  ※ここではKicad PCBエディター→左上「ファイル」→「基板の設定」の各画面で出てくる用語について、それぞれ説明していきます。
デザインルール その1はこちら
デザインルール その2はこちら




 
 
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 カスタムルール


カスタムルールとは、通常の「ネットクラス」では設定できない、より細かい条件を設定する機能です。

通常のネットクラスでは、

・配線幅
・クリアランス
・ビアサイズ

などをネット単位で設定できます。

しかし実際の基板では、

・特定エリアだけ線幅を変更したい
・USBだけ特別なルールにしたい
・高電圧部分だけ距離を広げたい

など、もっと細かい条件が必要になる場合があります。

そのような場合に使用するのが「カスタムルール」です。

例えば、

・USB差動配線だけクリアランス変更
・モーター電源だけ最低1mm配線強制
・高電圧部だけ6mm以上離す
・BGA周辺だけ細線許可

などが可能です。

■ この画面で設定する内容

この画面では、文章形式でDRCルールを記述します。

例えば以下のように記述します。

 (rule "PowerLine" (constraint track_width (min 1mm)) (condition "A.NetClass == 'Power'") ) 
これは、

「Powerネットクラスの配線は最低1mm以上にする」

という意味になります。

■ version 1 とは?

 (version 1) 
と表示されていますが、これはルール記述形式のバージョン番号です。
通常は変更不要です。

■ どういう場合に使う?

★ USB差動配線
USB D+ / D- のような高速信号では、配線間隔や線幅を細かく制御したい場合があります。
その際に使用します。

★ モーター・電源ライン
大電流ラインだけ最低線幅を強制したい場合。
例えば「絶対0.8mm以下にしたくない」など。

★ 高電圧基板
AC100Vや高電圧回路では、通常より広いクリアランスが必要になります。
その部分だけ別ルールを設定できます。

★ BGA周辺
BGA IC周辺だけ細線や細ビアを許可したい場合。
高密度基板でよく使われます。

■ まとめ

高速信号・多層基板・高密度基板などを扱う場合に使う機能です。
通常の2層基板などでは、特に触らなくても問題ありません。

 
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 違反の深刻度


この画面では、DRC(デザインルールチェック)で検出された問題を、

・エラー
・警告
・無視

のどれとして扱うかを設定します。

KiCadでは、基板設計中に様々な問題を自動検出します。

例えば、

・配線同士が近すぎる
・ショートしている
・基板端に近すぎる
・穴同士が近すぎる

などです。

その際、「これは絶対ダメ」「これは注意だけでOK」などを決めるのがこの設定です。

■ エラー・警告・無視の違い

★ エラー
重大問題として扱います。
通常は修正必須です。

例:
・ショート
・クリアランス不足
・基板端違反

★ 警告
設計によっては許容される問題です。
注意表示のみ行います。

例:
・シルク重なり
・コートヤード重なり
・短すぎる配線

★ 無視
DRCで検出しません。
ただし本当に問題を見逃す可能性もあるため注意が必要です。

■ この画面でよく出る項目

★ 2つのネットを短絡するアイテム
異なるネット同士が接触している状態です。
つまりショートです。
通常は「エラー」にします。

★ クリアランス違反
配線間隔不足です。
通常は「エラー」。

★ 配線が未接続
未配線状態です。
通常は「警告」または「エラー」。

★ 基板端クリアランス違反
銅箔が基板端に近すぎます。
加工時の欠けやショート原因になります。

★ コートヤードのオーバーラップ
部品同士が近すぎる状態です。
実装干渉確認用です。

★ 導体スライバー
細すぎる銅箔が残る状態です。
製造時に剥がれる可能性があります。

■ どういう場合に変更する?

★ シルク重なりを無視したい
小型基板ではシルクが多少重なることがあります。
その場合、「警告」や「無視」に変更する場合があります。

★ コートヤード警告を緩めたい
コネクタ周辺など、実際には問題ないが近くなる場合があります。
その場合に使用します。

★ 高電圧基板
沿面距離などを厳しく管理したい場合、「エラー」に強化します。

■ まとめ

基本的にはデフォルト設定のままで問題ありません。

特に、

・ショート
・クリアランス違反
・基板端違反

などは「エラー」のまま推奨です。

一方、

・シルク
・コートヤード
・配線角度

などは設計によって「警告」にすることがあります。


 
 



 

 埋め込みファイル


この画面では、基板データ内部へファイルを埋め込む設定を行います。

通常KiCadでは、

・フォント
・画像
・ロゴ

などを外部ファイルとして管理します。

しかし別PCへデータ移動した際、

「画像が消えた」
「フォントが変わった」

などが発生することがあります。

その問題を防ぐため、基板ファイル内部へ直接データを埋め込めます。

■ この画面で設定する内容

★ ファイル名
埋め込まれているファイル一覧です。

★ 埋め込みリファレンス
KiCad内部で使用する参照情報です。
通常は特に意識しません。

★ フォルダアイコン
ファイル追加です。
画像やフォントを埋め込めます。

★ ゴミ箱アイコン
埋め込みデータ削除です。

★ 埋め込みフォント
フォントデータを基板内部へ保存します。
他PCでも同じ見た目になります。

★ エクスポート
埋め込んだファイルを取り出します。

■ どういう場合に使う?

★ 会社ロゴを入れる場合
基板シルクへ会社ロゴを入れる際に使用します。

★ QRコード画像を使う場合
Webリンクや管理番号用QRコードなど。

★ 特殊フォントを使う場合
別PCでフォント崩れを防止したい場合。

★ チーム作業
他メンバーへデータを渡す際、関連ファイル不足を防げます。

■ まとめ

・ロゴなし
・特殊フォントなし
・画像なし

であれば基本的に触らなくて問題ありません。
ただし、会社案件や量産案件などで「ロゴ」「画像」「特殊文字」を使う場合は便利な機能です。



今回で「基板の設定」の語彙説明は終わりです。


 
 
 

 
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