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Kicad 回路図エディター 回路図の設定その3 プロジェクト
※ここではKicad 回路図エディター→左上「ファイル」→「回路図の設定」の各画面で 出てくる用語について、それぞれ説明していきます。
ここでは、 ・ネットクラスの作成 ・ネット名ごとのルール分類 ・配線幅や表示設定の管理 ・PCBエディターへ渡すネットルール設定 など、回路図上のネット(配線グループ)管理を行えます。 主に「どのネットに、どの配線ルールを適用するか」を設定するための機能です。 PCBエディター側のネットクラスとの関係 以前説明したPCBエディター側の「ネットクラス」では、 ・配線幅 ・クリアランス ・ビアサイズ ・差動ペアルール など、実際のPCB配線ルールを設定しました。 一方、回路図エディター側では、 「どのネットを、どのネットクラスへ所属させるか」 を主に管理します。 つまり、 回路図エディター → ネット分類 PCBエディター → 実際の配線ルール設定 という役割分担になります。 ネットクラスとは? 特定のネットへ共通ルールを割り当てる機能です。 たとえば、 ・電源ラインは太くしたい ・USB信号は専用ルールを使いたい ・高速信号だけ制約を変えたい などをネット単位で管理できます。 名前 ネットクラス名を設定します。 例: Default Power USB HIGH_SPEED などです。 配線幅 ネットクラスの標準配線幅です。 PCBエディターへ引き継がれ、配線時の初期幅になります。 バス線幅 バス表示時の線幅です。 主に回路図側の見た目に影響します。 カラー ネットクラスごとに表示色を変更できます。 視認性向上に便利です。 線のスタイル 実線や破線など表示スタイルを設定できます。 ネットクラスの割り当て どのネット名をどのクラスへ所属させるか設定します。 例: GND → Power +5V → Power USB_D+ → USB USB_D- → USB などです。 実際にはどう使う? たとえば、回路図側で、 Powerクラス → 0.5mm Defaultクラス → 0.2mm を設定し、GNDをPowerへ割り当てます。 するとPCBエディター側で、 GND → 自動で0.5mm 通常信号 → 自動で0.2mm として配線しやすくなります。 「定義済みサイズ」との違い PCBエディター側で説明した「定義済みサイズ」は、 配線中に手動で選択するための候補リストでした。 一方、ネットクラスは、 「そのネットに対して自動適用される標準ルール」 という違いがあります。 つまり、 定義済みサイズ → 手動切替用 ネットクラス → 自動適用用 です。 使用例@:電源ライン GNDや+5VをPowerクラスへ割り当て、 自動で太配線にするケースがあります。 使用例A:USB差動配線 USB_D+ / USB_D-へUSBクラスを割り当て、 PCB側で差動配線ルール適用する場合があります。 使用例B:高速クロック DDRやSPIクロックなどをHIGH_SPEEDへ割り当て、 専用ルール管理するケースがあります。 使用例C:GND色分け GNDネットだけ色変更し、 回路図やPCB上で見やすくする場合があります。
ここでは、 ・バスエイリアス(Bus Alias)の作成 ・複数信号線のグループ化 ・バス名の簡略化 ・回路図の可読性向上 など、バス配線を整理するための設定を行えます。 主に多数の信号線をまとめて扱いやすくするための機能です。 特にマイコンのデータバス、アドレスバス、LCD信号、GPIO群など、 信号本数が多い回路で便利です。 回路図を見やすく整理できるため、大規模回路ではよく使用されます。 バスとは? 複数の信号線をまとめて扱うための配線表現です。 たとえば、 D0 D1 D2 D3 D4 D5 D6 D7 のような複数信号を、 DATA[0..7] のようにまとめて表現できます。 バスエイリアスとは? 複数信号セットへ別名(エイリアス)を付ける機能です。 たとえば、 LCD_RS LCD_RW LCD_EN LCD_D0 LCD_D1 LCD_D2 LCD_D3 をまとめて、 LCD_BUS という名前で扱えるようになります。 エイリアス バス全体へ付ける別名です。 わかりやすい名前を付けて管理します。 ソース エイリアスへ含める実際の信号名一覧です。 実際にはどう使う? 通常、小規模回路ではあまり使いません。 ただし以下のような場合に非常に便利です。 ・GPIOが大量にある ・LCD配線が多い ・アドレスバスがある ・データバスが多い ・FPGA設計 ・DDRメモリ設計 などです。 使用例@:8bitデータバス たとえば、 D0〜D7 を、 DATA_BUS としてまとめるケースがあります。 使用例A:LCD信号まとめ LCD関連信号をLCD_BUSとしてまとめることで、 回路図を見やすく整理できます。 使用例B:マイコンGPIO整理 GPIO群をPORTA、PORTBなどでまとめ、 見通しを良くする場合があります。 使用例C:FPGA・高速回路 大量信号を扱うFPGAやDDR回路では、 バス管理がほぼ必須になるケースがあります。 注意点 バスエイリアスは主に「見やすさ・整理」のための機能です。 実際の電気的接続は各ネット名で行われます。 エイリアスだけで自動接続されるわけではありません。
ここでは、 ・テキスト変数(TEXT VARIABLES)の作成 ・回路図内で共通文字列の管理 ・タイトルブロックへの自動反映 ・複数ページでの情報共有 ・設計情報の一元管理 などを行えます。 主に回路図内で繰り返し使用する文字情報を管理するための機能です。 設計者名、会社名、製品名、リビジョン番号などを変数化しておくことで、後から一括変更できるようになります。 なお、PCBエディターにも同様の「テキスト変数」機能があります。 PCBエディター側のテキスト変数については以前の記事で説明しましたが、回路図エディター側でも基本的な考え方は同じです。 どちらも、 「よく使う文字情報を変数として登録し、必要な場所で呼び出す」 ための機能になります。 【テキスト変数とは?】 文字列へ名前を付けて管理する機能です。 例えば、 ABC株式会社 という会社名を毎回入力する代わりに、 COMPANY という変数へ登録しておけば、 ${COMPANY} と記述するだけで表示できます。 【変数名】 変数の名前です。 例: COMPANY PROJECT_NAME AUTHOR REVISION MODEL などです。 【テキストの代替】 実際に表示される文字列です。 COMPANY → ABC株式会社 AUTHOR → 日本太郎 PROJECT_NAME → 7セグLEDカウンタ REVISION → REV1.0 MODEL → ABC-001 【実際にはどう使う?】 例えば、 COMPANY → ABC株式会社 AUTHOR → 日本太郎 を登録します。 その後、回路図内のテキストへ ${COMPANY} と入力すると、表示時には ABC株式会社 になります。 【タイトルブロックでの使用】 最もよく使われるのがタイトルブロックです。 例えば図面枠内へ、 会社名:${COMPANY} 設計者:${AUTHOR} 版数:${REVISION} と入力しておけば、変数変更だけで全ページへ反映できます。 【使用例@:会社名】】 変数設定 COMPANY ↓ ABC株式会社 回路図では ${COMPANY} と入力します。 会社名変更時も1か所の修正で済みます。 【使用例A:設計者名】 変数設定 AUTHOR ↓ 日本太郎 タイトルブロックや注記へ 設計者:${AUTHOR} と記載できます。 【使用例B:リビジョン管理】 変数設定 REVISION ↓ REV1.0 図面には 版数:${REVISION} と表示されます。 REV1.1へ変更する場合も変数だけ修正すれば反映されます。 【使用例C:プロジェクト名】 変数設定 PROJECT_NAME ↓ 7セグLEDカウンタ 回路図内では ${PROJECT_NAME} を使用できます。 別製品へ流用する場合にも便利です。 【使用例D:製品型番】 変数設定 MODEL ↓ ABC-001 回路図には 製品型番:${MODEL} と表示できます。 製品シリーズ管理にも役立ちます。 【回路図内ではどう入力する?】 テキスト入力時に、 ${変数名} という形式で記述します。 例: ${AUTHOR} ${COMPANY} ${PROJECT_NAME} です。 【PCBエディターとの違い】 PCBエディター側のテキスト変数については以前の記事で説明しましたが、基本的な仕組みは同じです。 ただし利用される場所が少し異なります。 回路図エディターでは主に、 ・タイトルブロック ・設計情報 ・注記テキスト などで利用します。 一方、PCBエディターでは、 ・シルク印刷 ・製造図面 ・組立図 ・基板情報表示 などで利用されることが多くなります。 【実際どれくらい使う?】 個人製作ではあまり使わないこともあります。 一方で、 ・仕事の設計案件 ・量産製品 ・複数ページ回路図 ・リビジョン管理が必要な案件 ・同じテンプレートを流用する案件 では非常に便利です。 特に会社名、製品型番、設計者名、リビジョン番号などを複数箇所へ記載する場合、修正漏れ防止に大きく役立ちます。 【注意点】 テキスト変数は「文字列を置き換えるための機能」です。 ネット接続や部品動作には影響しません。 また、 ${COMPANY} と入力しても、同名の変数が登録されていなければ置換されず、そのまま表示されます。 【こんな人におすすめ】 ・毎回同じ会社名を入力している ・図面の版数管理をしたい ・設計者名を統一したい ・複数ページ回路図を作る ・仕事でKiCadを使う
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