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ビルドアップ基板:製品の小型化を支える高密度配線技術
スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、自動車の電子部品など、ますます小型化・高機能化が進む電子機器の中で、 回路基板はこれらを支える重要な基盤となります。 その中でビルドアップ基板は、より複雑な回路や配線の実現、電子部品の高密度実装を可能にし、製品のさらなる進化に貢献しています。 本稿では、ビルドアップ基板の特徴や利点、製造プロセスについて詳しく解説し、 さらにエニーレイヤー基板の概要とその利点、通常のビルドアップ基板との違いについても考察します。
従来の多層基板は、複数の層を一度に積み重ねて作成されますが、ビルドアップ基板では層ごとに積層を行う「ビルドアッププロセス」を採用しており、 これが高密度配線を実現する鍵となっています。 ビルドアップ基板の基本構造 ビルドアップ基板の基本構造は、中央に位置する「コア層」と、その上に順次積み重ねられる「ビルドアップ層」からなります。 この構造により、極めて高密度な配線と微細なビア(層間接続のための小さな孔)の形成が可能になります。 ビルドアップ基板の利点 1. 高密度配線の実現 ビルドアップ基板では、従来の基板よりも微細な配線が可能です。 これにより、電子機器内部での部品間の接続が効率化され、より多くの回路を小型の基板内に配置することができます。 この高密度配線は、スマートフォンやタブレットのようなスペース制限が厳しいデバイスで特に有用です。 2. 設計の柔軟性 層ごとにビルドアップを行う手法により、基板設計の自由度が格段に向上します。 複雑な回路構成にも対応できるため、より高度な機能を実現したいデバイスに適しています。 3. 高信頼性 層間接続に使用される微細なビアは、信号の伝達距離を短縮し、信号の劣化を防ぐ効果があります。 また、従来のスルーホールに比べて基板の強度を損なう要因が減少するため、基板全体の信頼性も向上します。 4. 小型化への貢献 ビルドアップ技術は、配線の微細化や層間接続の効率化を通じて、基板全体の小型化を可能にします。 これにより、製品のコンパクト化が進み、より多機能な電子機器が実現できます。
1.コア層の作成・樹脂穴埋め 最初に基板の中心となる「コア層」を作成します。コア層は従来の貫通基板と同様の方法で製造されます。 その後、コア層の貫通穴を樹脂穴埋めします。 きちんと穴埋めをしないと、上に積層するビルド層がへこんだり、内部が空気で腐食したりします。 ![]() 2.積層・レーザー穴あけ 穴埋めした箇所に蓋をするようにメッキを行った後、コア層の上に積層していきます。 積層した後、レーザーで穴あけします。
3.レーザー穴(LVH)のめっき レーザー穴あけした箇所を銅めっきして導通させていきます。 ちなみに、穴のへこみをめっきで完全に埋めてフラットにすることを「フィルドめっき」といいます。 フィルドめっき加工をすることで、LVHを重ねていくことができ、配線の省スペース化を可能にし、基板のサイズを小さくできます。
4. 2段ビルド・3段ビルド・・・ LVHのめっきが終わると、回路形成を行い、もし2段ビルドや3段ビルドの場合、さらに積層を繰り返します。 現状は概ね3段ビルドまでで、4段となると製造できるメーカーはかなり限られると思われます。 ユニクラフトでも3段ビルドまで対応しております。
この技術により、従来よりもさらに高密度で自由な配線設計が可能になります。 エニーレイヤー基板の利点 ・任意層接続:層間接続が任意の場所で可能になるため、設計の自由度が飛躍的に向上します。 ・高密度化の極致:回路設計の制約が少なくなり、より多くの部品や機能を基板上に実装可能です。 ・高信頼性:信号伝達が効率化されるだけでなく、よりシンプルな回路設計が信頼性を向上させます。 通常のビルドアップ基板とエニーレイヤー基板の比較 ![]()
エニーレイヤー基板はその中でも最先端の技術を象徴しています。 高密度配線や高い設計自由度により、これらの基板は次世代の電子機器の可能性を広げています。 一方で、製造コストや工程の複雑さが課題となる場合もありますが、 その性能向上のメリットはこれらの課題を上回ると言えるでしょう。 ビルドアップ基板やエニーレイヤー基板の技術は、これからも進化を続け、 ますます多様な分野で活躍することが期待されます。
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