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この期間を跨ぐ製造は、通常より3〜4日程度納期が遅れますので、あらかじめご了承ください。


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ご迷惑をおかけしますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
なお、一部の製造ラインは稼働しますので、連休前にご注文いただくと納期短縮できる場合があります。

電子回路基板の日本国内生産動向分析【2026年4月実績反映版】



 
 
 電子回路基板の日本国内生産動向分析【2026年4月実績反映版】

本レポートは、 日本電子回路工業会(JPCA)公表の「電子回路基板の生産動向統計」 (経済産業省「生産動態統計」がベース)をもとに、
2018年1月〜2026年4月分の月次データを独自に集計・分析したものです。
前回版(2025年7月分までの暫定値ベース)から約9か月分のデータが追加され、2025年の確定値および2026年に入ってからの実績が反映されています。

1. 概要

2025年の電子回路基板の国内生産は、数量ベースでは前年比▲5.6%の845万1千uと9年連続の減少となった一方、 生産金額は前年比+12.0%の6,105億円と2年ぶりに増加に転じた。数量が減っているにもかかわらず金額が伸びるという「量減・金増」の構図が鮮明になっている。 さらに2026年に入ってからの実績(1〜4月)を見ると、数量は前年同期比+2.9%とプラスに転じ、金額に至っては 前年同期比+30.9%という大幅な伸びを記録しており、市場は前回レポート作成時点(2025年7月分まで)の想定よりも明確に強い回復軌道に入っている。

背景にあるのは、AI・データセンター向け半導体パッケージ基板(モジュール基板・ビルドアップ多層基板)の急拡大である。 数量ベースでは全体の6%程度に過ぎないモジュール基板が、金額ベースでは全体の37%超を占めるまでに拡大しており、 基板単価(金額÷数量)は2018年から2025年の間に合計ベースで約2.2倍に上昇した。「量より質」への転換が、統計上も明確な数字として表れている。

2. 年次推移(2018〜2025年・確定値)

年度 数量(千u) 前年比 生産金額(百万円) 前年比 平均単価指数
(金額/数量)
201814,491-477,012-32.9
201912,415-14.3%443,794-7.0%35.8
202010,799-13.0%486,691+9.7%45.1
202112,109+12.1%648,280+33.3%53.5
202211,363-6.2%693,131+6.9%61.0
20239,643-15.2%569,047-17.9%59.0
20248,957-7.1%545,166-4.2%60.9
2025(確定)8,452-5.6%610,599+12.0%72.3

【年次分析】数量は2021年の巣ごもり特需を除き2018年から一貫して縮小基調にあり、2025年もこの流れが続いた。 一方で金額は2023年の在庫調整による落ち込みから2年連続で回復し、2025年は2022年(過去最高水準)に次ぐ高水準に達した。 平均単価指数(生産金額を数量で割った簡易指標)は2018年の32.9から2025年には72.3へと約2.2倍に上昇しており、 基板1枚あたりの付加価値が構造的に高まっていることを示している。

3. 2025年の月次推移と2026年1〜4月の実績

2025年
数量(千u)
2025年
金額(百万円)
2026年
数量(千u)
2026年
金額(百万円)
数量
前年比
金額
前年比
1月68642,09169556,018+1.3%+33.1%
2月65545,73368058,854+3.8%+28.7%
3月70248,41872367,276+3.1%+38.9%
4月68850,36971162,121+3.2%+23.3%
5月68150,510(未発表)
6月71648,360(未発表)
7月76454,933(未発表)
8月61550,451(未発表)
9月75954,902(未発表)
10月78755,464(未発表)
11月69551,487(未発表)
12月70457,881(未発表)
年計/累計8,452610,5992,809(1-4月)244,269(1-4月)+2.9%+30.9%

【月次分析】2025年は8月に落ち込んだものの、9〜10月にかけて年間ピークを記録し、下期にかけて回復基調が明確になった。 この流れは2026年に入っても継続しており、1〜4月は数量・金額とも4か月連続で前年を上回っている。 特に金額の伸び率は1月+33.1%、3月には+38.9%に達しており、前回レポート時点(2025年7月)で見込んでいた 「2026年通期で金額+8〜10%程度」という予測を大きく上回るペースで推移している。数量の伸びが+1〜4%程度にとどまる一方で 金額が+23〜39%も伸びているのは、高付加価値なモジュール基板・ビルドアップ基板の比率上昇が単価を強く押し上げているためと考えられる。





 

4. 分野別の動向(2025年・数量と金額の対比)

分野 2025年数量
(千u)
数量前年比 2025年金額
(百万円)
金額前年比 単価指数
(2018→2025)
リジッド基板 計6,488-6.9%356,052+6.2%30.6 → 54.9
 片面プリント配線板1,200-5.5%9,322+11.0%-
 両面プリント配線板2,629+0.4%71,927+8.5%-
 多層(4層)1,336-20.0%52,175-7.8%-
 多層(6〜8層)626-11.7%69,312+3.8%-
 多層(10層以上)87-0.3%29,381+6.1%188.0 → 339.6
 ビルドアップ多層基板610-0.7%123,935+13.1%101.5 → 203.1
フレキシブル基板 計1,477+4.2%28,092-1.1%15.8 → 19.0
 片面フレキシブル507-1.9%4,883-22.3%-
 両面・多層フレキシブル969+7.6%23,209+5.0%-
モジュール基板 計487-14.6%226,455+24.8%123.1 → 465.2
 リジッド系モジュール222-8.7%221,621+26.1%-
 その他モジュール265-18.9%4,834-15.2%-

【分野別分析】最大の特徴はモジュール基板の単価指数が2018年の123.1から2025年には465.2へ、実に3.8倍に跳ね上がっている点である。 数量自体は前年比▲14.6%と大きく減っているにもかかわらず、金額は+24.8%も伸びており、AIサーバー・GPU向けなど 超高付加価値パッケージ基板へのシフトが数量減少を大幅に補って余りある構図になっている。 ビルドアップ多層基板も単価指数が2倍に達し、数量横ばい(-0.7%)ながら金額は2桁成長(+13.1%)を維持した。 一方、片面プリント配線板・片面フレキシブル基板といった汎用・低付加価値領域は数量・金額とも軟調で、 国内生産の「二極化」がより一層進んでいる。

5. 分野別の構成比の変化(金額ベース)

分野 2018年構成比 2024年構成比 2025年構成比
リジッド基板 計66.9%61.5%58.3%
 (うちビルドアップ多層)18.8%20.1%20.3%
 (うち多層10層以上)4.7%5.1%4.8%
フレキシブル基板 計10.6%5.2%4.6%
モジュール基板 計22.5%33.3%37.1%

【構成比分析】2018年時点ではリジッド基板が国内生産金額の3分の2を占めていたが、2025年には6割を切り、 代わってモジュール基板(半導体パッケージ基板を含む)が金額ベースで4割弱にまで拡大した。 フレキシブル基板は民生機器(スマートフォン等)需要の海外シフトの影響を受け、構成比が10.6%から4.6%へと半分以下に縮小している。 国内基板産業の重心が「民生・汎用」から「AI・半導体パッケージ・車載高信頼」領域へ明確に移行していることが読み取れる。





 

6. 電子回路実装基板(部品搭載)の動向

JPCA統計にはプリント基板そのものの生産統計に加え、部品を実装した後の「電子回路実装基板」の統計も含まれる。 こちらは基板メーカーというよりEMS(電子機器受託製造)・セット機器メーカーの生産活動を反映する指標であり、 川下側の需要動向を見る上で参考になる。

区分 2023年
金額(百万円)
2024年
金額(百万円)
2025年
金額(百万円)
前年比
実装基板合計289,408295,272324,091+9.8%
 プリント配線実装基板177,076165,641172,977+4.4%
 モジュール実装基板112,332129,631151,114+16.6%

実装基板でも2025年は金額ベースで+9.8%と好調に推移し、特にモジュール実装基板は+16.6%と伸びが際立った。 2026年1〜4月の実装基板生産額も前年同期比でプラス基調(1月+1.5%、2月+1.0%、3月+16.1%、4月+14.1%)が続いており、 3月以降に伸びが加速している点は、基板単体の統計(金額+30%超の伸び)と方向性が一致する。 実装基板側の伸びが基板単体よりもマイルドなのは、実装基板統計には車載・産業機器向けなど成長率の緩やかな分野も多く含まれるためと考えられる。

7. 技術トレンドと課題

  • ・高多層化:16層以上、ビルドアップ構造の採用が拡大。単価指数は2018年比で約2倍に上昇し、歩留まり・コスト管理が引き続き課題。
  • ・AI/半導体パッケージ基板の急伸:モジュール基板の単価指数が2018年比3.8倍に達し、基板産業の収益構造そのものを変えつつある。
  • ・高周波化:低誘電・低損失材(LCP、PPE系など)の採用が進む。材料価格上昇が引き続きリスク要因。
  • ・放熱対策:銅コア・金属ベース基板の採用が増加し、高多層・厚銅基板との組み合わせで加工難易度が上昇。
  • ・二極化の進行:片面基板・汎用フレキ基板など低付加価値領域は数量・金額とも縮小が続いており、国内生産者の事業ポートフォリオ見直しが迫られている。
  • ・環境対応:鉛フリー化、再生樹脂、低炭素工程。性能と規制対応の両立が引き続き課題。




 

8. 2026年後半以降の展望と根拠

2026年1〜4月の実績(数量+2.9%、金額+30.9%)を踏まえると、前回レポート(2025年7月時点)で示した 「2026年通期で数量+2〜3%、金額+8〜10%」という予測は、金額面で大幅に上振れる可能性が高い。 以下の3つの要因が、2026年後半以降も回復基調を支えると考えられる。

(1) AI・データセンター向け半導体パッケージ基板投資のさらなる加速

2025年に既にモジュール基板の単価指数が3.8倍(2018年比)まで上昇しており、2026年1〜4月の金額急伸(前年同期比+23〜39%)は この流れが一段と強まっていることを裏付けている。GPUサーバー・AIアクセラレータ向けの高多層ビルドアップ基板、 BT材・ABF材基板の需要は年後半も高水準が続く見込みで、2026年通期の金額成長率は前回予測の+8〜10%を超え、 +15〜20%程度への上方修正が視野に入る局面にある。

※BT材基板(Bismaleimide Triazine)とは、耐熱性・寸法安定性に優れた樹脂材料を用いたICパッケージ基板で、コストと性能のバランスに優れ、汎用半導体向けに広く使用される。
 ABF材基板(Ajinomoto Build-up Film)とは、味の素株式会社が開発した高密度配線用の絶縁フィルムを使ったビルドアップ基板で、AIプロセッサやGPUなど高性能半導体パッケージに採用されている。

(2) EV・車載電子化の第2フェーズ

車載領域では次世代EVアーキテクチャの量産段階への移行が進み、ECU統合化や制御ユニット増加に伴う 高耐熱・高信頼性基板の需要が引き続き拡大すると見られる。多層(10層以上)基板の単価指数は2018年の188.0から 2025年には339.6まで上昇しており、車載向け高多層基板の高付加価値化がここでも進行している。

(3) 6G・光電融合通信の開発本格化

ミリ波・サブテラヘルツ帯対応基板は試作段階から量産検討へと移行しつつあり、2026〜2027年にかけて 研究開発投資が増加、高周波対応樹脂(LCP、PPE系など)需要の拡大が見込まれる。ただし数量規模としてはまだ小さく、 2026年後半時点では業績への影響は限定的とみられる。

9. 結論

2025年の国内基板生産は「数量減・金額増」という二極化した姿を確定値として示し、2026年に入るとこの傾向はさらに強まり、 1〜4月の金額は前年同期比+30.9%という高い伸びを記録した。前回レポート作成時点(2025年7月分まで)の想定を上回るペースで 回復が進んでおり、AI・車載・6Gという3つの成長分野を中心に、高機能・高付加価値基板へのシフトが数字の上でも はっきりと裏付けられた形である。一方で片面基板や汎用フレキ基板など低付加価値領域の縮小も同時に進んでおり、 国内基板産業全体としては「量より質」への転換がいよいよ本格化している段階にあると言える。 今後、国内メーカーが成長を維持するためには、高多層・ビルドアップ・モジュール基板といった高付加価値分野への 集中投資と、AI・車載・6Gという成長市場への継続的な特化が一段と重要になると考えられる。


 
 
 

 
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